第一段の屋内環境での検証から、実際の日射や外気の影響を受ける真夏の屋外環境へ。建物外壁を冷やす特許出願中の建築技術「CoolSkin®」の社会実装に向け、研究を次の段階へ進めます。
この記事の概要
株式会社セイコー・エステート&ディベロップメントは、福岡大学 工学部建築学科との産学連携により研究開発を進める、特許出願中の建築物外皮材及び冷却システム「CoolSkin®(クールスキン)」について、2026年8月に第二段実証実験を実施します。
第一段では屋内環境においてCoolSkin®あり・なしの比較検証を実施し、建物内部側で最大4.66℃の温度差を確認しました。
第二段では実験環境を福岡大学の研究施設敷地内へ移し、実際の真夏の屋外環境において、CoolSkin®施工あり/なしの外壁表面温度や、外壁裏面・室内側への温度影響を比較検証します。
CoolSkin®はまだ研究開発段階の技術です。
第一段で得られた結果をゴールとするのではなく、実際の建築への社会実装を目指し、屋内検証から真夏の実環境での検証へ研究を進めます。
「家の中でも暑い」時代に、建築側から何ができるのか
夏になると、多くの建物が強い日射を受けます。
屋根や外壁は日射によって熱を持ち、その影響は建物内部にも及びます。
暑さへの対策としては、
- 断熱性能の向上
- 日射遮蔽
- 空調設備
- 換気
- 省エネルギー設備
など、さまざまな方法があります。
これらはいずれも重要な暑熱対策です。
そのうえで、セイコー・エステート&ディベロップメントが新たな可能性として研究しているのが、
「建物内部を冷やすだけではなく、外壁そのものの温度上昇を抑えることはできないか」
というアプローチです。
それが「CoolSkin®」です。

CoolSkin®とは|建物外壁そのものから暑さに向き合う
CoolSkin®は、セイコー・エステート&ディベロップメントが研究開発を進めている、特許出願中の建築物外皮材及び冷却システムです。
建物外壁に冷却機能を持たせ、外壁表面温度の上昇を抑える仕組みの社会実装を目指しています。
単に外壁を濡らすという考え方ではなく、
- 建築物の長期使用
- メンテナンス性
- 耐久性
- 施工性
- 水分・湿気の制御
- 給水制御
などを含め、実際の建築で使用できるシステムへ発展させることを想定しています。
ただし、CoolSkin®は現在も研究開発・性能検証段階です。
そのため当社だけで性能を評価するのではなく、福岡大学との共同研究によって客観的な実証データを取得し、技術の可能性と課題の双方を検証しています。

第一段では屋内環境で実証|最大4.66℃の温度差を確認
第一段の実証実験では、屋内環境でCoolSkin®あり・なしを比較しました。
測定の中では、
通常側:39.34℃
CoolSkin®側:34.68℃
となり、建物内部側で最大4.66℃の温度差を確認したケースがありました。
別の測定でも、
通常側:40.73℃
CoolSkin®側:36.23℃
となり、4.50℃の差を確認しています。
これはCoolSkin®の研究にとって重要な第一段階となりました。
しかし、当社では、この結果だけで技術の実用性を判断することはできないと考えています。
屋内の管理された条件で得られる結果と、実際の真夏の屋外環境で得られる結果は同じとは限らないためです。
そこで研究は、第二段へ進みます。
第一段から第二段へ|研究室内から「真夏の実環境」へ
CoolSkin®の実証実験は、
第一段:屋内環境
から、
第二段:真夏の屋外環境
へ進みます。
第二段実証実験は、2026年8月に福岡大学の研究施設敷地内で実施する予定です。
屋外では、実際の日射や外気の影響を受けます。
研究室で得られた結果だけではなく、より実際の建築環境に近い条件で比較することによって、CoolSkin®の性能や課題を確認していきます。

第一段:屋内環境 → 第二段:真夏の屋外環境
第二段実証実験では何を検証するのか
第二段実証実験の概要は、現時点で以下を予定しています。
実施予定
2026年8月
実験場所
福岡大学 研究施設敷地内
比較する試験体
- CoolSkin®施工あり
- CoolSkin®施工なし
主な確認項目
- 外壁表面温度
- 外壁裏面
- 室内側への温度影響
真夏の屋外環境において、CoolSkin®を施工した場合と施工していない場合にどのような違いが現れるのかを比較します。
なお、本記事は第二段実証実験の開始をお知らせするものです。
実験条件、取得データ、測定結果、分析結果等の詳細については、実証実験終了後に取りまとめ、「第二段実証実験 検証結果報告」として改めて公表する予定です。
現時点で第二段実験による冷却効果や室内温度への効果を断定するものではありません。

なぜ、屋外実証まで行うのか
研究開発で重要なのは、
「期待した数字を出すこと」ではなく、「実際に何が起きているのかを確認すること」
だと私たちは考えています。
建築物は、常に同じ環境に置かれているわけではありません。
実際の屋外では、日射、気温、湿度、風など、さまざまな環境条件があります。
そのため、
屋内環境で性能を検証する
↓
屋外環境で検証する
↓
データを分析する
↓
課題を確認する
↓
必要な改良を行う
↓
再び検証する
という段階を踏む必要があります。
良い結果だけを見るのではなく、期待通りにならなかった条件や技術的な課題についても把握する。
それらを一つずつ解決していくことが、社会実装できる建築技術へ近づくために必要だと考えています。
特許出願をゴールにしない|福岡大学との共同研究で社会実装へ
CoolSkin®は、特許を出願して終わるための研究ではありません。
当社が目指しているのは、
特許出願
↓
福岡大学との共同研究
↓
第一段実証実験|屋内環境
↓
第二段実証実験|真夏の屋外環境
↓
検証結果の分析・改良
↓
実用化検討
↓
実際の建築物への導入検討
というプロセスです。
研究から実証へ。
実証から改良へ。
そして、実用化できる技術になった場合には、実際の建築物へ。
大学との産学連携によって客観的な検証を積み重ねながら、社会に役立つ建築技術へ育てることを目指しています。

将来的にはLEGENDEなど自社企画物件への導入も視野
CoolSkin®について、今後の研究によって十分な性能、安全性、耐久性、施工性、経済性等が確認され、実用化できる段階へ到達した場合には、当社が企画・開発する建築物への導入も検討していきます。
その一つが、投資用新築アパートブランド
LEGENDE(レゲンデ)
です。
LEGENDEでは、完成した建物を販売することだけを目的としていません。
銀行融資評価を意識した土地選定から、
- 地域の賃貸需要
- 想定入居者
- 建物企画
- 設計・施工
- 収支計画
- 金融機関への相談準備
- 完成後の運営
- 次の不動産投資
までを一つの事業計画として考えています。
新築アパートを完成させることがゴールではなく、
その建物が長く入居者から選ばれ、投資家様の資産形成を支えること
まで考える。
CoolSkin®の研究開発も、その考え方の延長線上にあります。
将来的に建物の快適性や環境性能につながる技術として実用化できれば、LEGENDEなど自社企画物件への先行導入も視野に入れていきます。
※現時点でCoolSkin®のLEGENDEへの導入が決定しているものではありません。また、導入による入居率、家賃、収益、資産価値等を保証するものではありません。
なぜセイコー・エステート&ディベロップメントが研究開発まで行うのか
当社は、福岡を中心に、
- 不動産開発
- 土地からの新築アパート一棟投資
- 建築設計・施工
- 投資事業計画
- 金融機関への相談支援
などに取り組んでいます。
建築と不動産の両方に関わっているからこそ、
「今、どのような建物を建てるのか」
だけではなく、
「10年後、20年後に、どのような建物が求められるのか」
まで考えなければならないと考えています。
猛暑。
建物の省エネルギー性能。
入居者や建物利用者の快適性。
建物の長寿命化。
環境負荷。
これからの建築には、さまざまな社会課題への対応が求められます。
既存の建築技術を使うだけではなく、自ら研究開発にも関わり、大学や研究機関と一緒に新しい可能性を検証する。
CoolSkin®は、セイコー・エステート&ディベロップメントが目指す将来の建築・不動産開発を象徴する取り組みの一つです。
代表取締役 髙木政利 コメント
「私たちは、不動産投資家の皆さまへ建物を提供して終わる会社にはしたくないと考えています。
新築アパートも、建てた瞬間がゴールではありません。
10年後、20年後にも入居者の方に選ばれ、投資家様の資産として長く運営されていく必要があります。
ここ数年の厳しい夏を見ても、これからの住宅・建築に必要とされる性能は変わっていく可能性があります。
CoolSkin®は、その未来に向けた研究の一つです。
第一段では屋内環境で検証しました。
そして今回、真夏の屋外環境へ進みます。
良い結果だけを求めるのではなく、実際にどこまで作用するのか、どんな課題があるのかを福岡大学の先生や学生の皆さまと検証したいと考えています。
研究で終わらせるのではなく、本当に社会で使える技術になれば、私たち自身がつくる建物にも活用する。
不動産、建築、研究開発を分断せず、将来の建物価値につながる取り組みを続けてまいります。」
株式会社セイコー・エステート&ディベロップメント
代表取締役 髙木 政利
今後|第二段実証実験の検証結果も公開予定
2026年8月の第二段実証実験終了後は、測定データを整理・分析します。
そのうえで、
- CoolSkin®施工あり/なしでどのような差があったのか
- 外壁表面温度にどのような違いが確認されたのか
- 外壁裏面・室内側にどのような温度影響があったのか
- 今後どのような検証・改良が必要なのか
などについて、改めて第二段実証実験の検証結果として公開する予定です。
セイコー・エステート&ディベロップメントは、CoolSkin®の社会実装に向け、福岡大学との共同研究を継続してまいります。
CoolSkin®について
CoolSkin®は、株式会社セイコー・エステート&ディベロップメントが研究開発を進める、特許出願中の建築物外皮材及び冷却システムです。
建物外壁の表面温度上昇を抑える新たな仕組みの社会実装を目指し、福岡大学との産学連携による共同研究・性能検証・実証実験を進めています。
詳しい技術概要については、CoolSkin®専用ページをご覧ください。
関連コンテンツ
CoolSkin®|建物外壁を冷やす次世代の建築冷却システム
技術の仕組み、研究開発の背景、今後の実証・社会実装について紹介しています。
CoolSkin®第一段実証実験結果
福岡大学との共同研究による第一段実証実験で確認した、最大4.66℃の温度差について詳しく紹介しています。
LEGENDE|福岡発・投資用新築アパートブランド
銀行融資評価を意識した土地選定から、賃貸需要、設計施工、収支計画、完成後の運営、次の投資までを一体で考える新築アパートブランドです。
CoolSkin®の共同研究・技術連携について
セイコー・エステート&ディベロップメントでは、CoolSkin®の社会実装に向けて、今後も大学・研究機関・企業等との連携を進めてまいります。
共同研究、実証実験、性能試験、技術提携等について関心をお持ちの企業・研究機関の皆さまはお問い合わせください。
※CoolSkin®は現在、研究開発・性能検証段階の技術です。本記事は特定の冷却効果、空調削減効果、省エネルギー効果、商品化、LEGENDE等への導入、入居率、収益、資産価値等を保証するものではありません。
よくある質問
いいえ。現在は特許出願を起点に、研究開発・性能検証・社会実装に向けた実証を進めている段階です。
第一段階実証実験における「内壁の室内側」の最大時の比較で、通常条件39.34℃、CoolSkin条件34.68℃となり、4.66℃の差が確認されました。
今回の試験条件では、通常条件23.39℃、CoolSkin条件21.68℃となり、1.71℃低い測定結果でした。
現時点では、CoolSkin®による電気料金削減効果は確認していません。今後、空調負荷、消費電力量、水使用量、ランニングコスト等を検証する予定です。
現時点では研究段階です。実用化に必要な性能・安全性・経済性等が確認された場合、将来的な導入を検討します。

